AI トレーナーは何を見て「今日はこれ」と決めているのか。入力→判断→提案の中身を開発者が図解

ChatGPT でダイエット計画を立てる方法と、専用アプリとの違い。3 週間目に起きること

AI トレーナーは何を見て「今日はこれ」と決めているのか

「AI が提案します」と書いてあるアプリは多いのに、何を見て、どういう順番で決めているのかを説明しているものはほとんどありません。中身が見えないと、提案を信じていいのか判断できない。

このコラムでは、私が開発している FIT LOGIC の「次の一手」(ホーム画面に 1 つだけ出る”今やること”)を例に、AI トレーナーの判断の中身を図解します。他社アプリの内部は分からないので、あくまで「作った側が一例として見せる」記事です。


この記事の内容を、動画でも

FIT LOGIC って何?よく聞かれる 6 つの質問にぜんぶ答えます(約 1 分 45 秒)。音が出ます。YouTube で見る

1. 全体の流れ:入力 → 状況判定 → 提案

1

入力
プロフィール(性別・年齢・目標・生活リズム)+今日の記録(食事・水分・トレ・睡眠・体重)
2

状況判定
「今、この人はどの状態か」を 1 つに決める。ここは AI ではなくルールで決めている
3

次の一手を選ぶ
状況と時間帯から、今やること 1 つを優先順位で選ぶ
4

中身を AI が作る
「食事を提案する」と決まったら、具体的な献立・トレ内容を AI(大規模言語モデル)が生成

ポイントは、「何をやるか」を決める部分(2・3)と「中身を作る部分」(4)が分かれていることです。全部を AI に丸投げすると、日によって言うことが変わったり、安全でない提案が混ざる。だから「何をやるか」は人が設計したルールで固定し、AI は中身の生成に使っています。


2. 状況判定:優先順位は 1 つに決めてある

「今日の状況」は同時に複数当てはまることがあります。夜遅い・トレを頑張った・食事が少ない、が同時に起きる日もある。そのとき提案がバラバラにならないよう、優先順位を 1 本の列に決めています。

優先 状況 次の一手がどうなるか
1 深夜帯 何かをやらせない。休む方向の一言だけ
2 今日すでに強度の高いトレをした 追加のトレを出さない。ケア(ストレッチ・水分)へ
3 休養日・体調を崩している 「休むのも頑張り」。トレ提案を休養カードに差し替える
4 食事が少なめ(時間帯に対して) 「お昼、食べられましたか」と気にかける。責めない
5 食事が多めだった日 「食べ過ぎ」という言葉は使わない。翌日の行動も促さない
6 通常 時間帯に応じて食事・トレ・水分・睡眠・体重のいずれか

たとえば「トレを頑張った日の夜に食事が少ない」なら、優先 2 が勝ってケアの提案になります。同じ状況なら、いつ開いても同じ判断が出る。AI トレーナーの信頼は、この一貫性から生まれます。


3. 時間帯:朝は「まず一杯」、昼前に「決めましょうか」

5〜10 時
まだ水を飲んでいなければ「起きたら、まず一杯」
量は問わない。一度飲めば通過。朝いちばんに食事やトレを出さない
〜13 時
食事が未記録なら「お昼、決めましょうか」
記録の確認ではなく、これから食べるものを AI が組む画面へ。提案が先、記録は後
15 時以降
月間プランのトレーニング日なら、トレへ
ただし食事が済んでいることが前提。朝〜昼はいつも食事が優先
夜
記録の確認とケア。深夜は何も出さない
「今日はこれで十分」で締める。翌日の指示は出さない

以前は「月間プランのトレーニング日」が朝でも最優先で出ていました。起き抜けにトレを勧められる。ユーザーから「朝ごはんの方が先じゃない?」と指摘を受け、朝〜昼は食事を先に確認する順番に直しました。判断の順番は、使う人の声で変わり続けています。


4. あえて「数値を見せない」判断

「食事が少なめ」の判定は、内部では時間帯ごとの摂取比率で決めています。でも、その比率も目標カロリーもユーザーには出しません。出るのは「お昼、食べられましたか」という一言だけ。

数値で伝える

  • 「目標の 32% しか摂れていません」
  • 正確だが、責められた気持ちになる
  • 数字を追い始めると、食べること自体が怖くなる人がいる
  • 体重の数字も同じ

気にかけで伝える

  • 「お昼、食べられましたか」
  • 判定は内部で厳密に、言葉は柔らかく
  • 行動は促すが、評価はしない
  • 体重は「主役にしない」設計

これは私の指導経験からの判断でもあり、医療・健康監修の観点からの必須条件でもあります。数字は判断に使う。人には気にかけを渡す。


5. 安全レンジ:AI が「言えないこと」を先に決めている

中身を AI が生成する段階(4)では、AI に自由に書かせているわけではありません。生成の前に「言ってはいけないこと」を決めています。

FIT LOGIC の AI 生成に入っているガードレール(一部)
  • カロリー・PFC の安全レンジ外の提案を出さない(極端な低カロリー・断食は生成されない)
  • 「食べ過ぎ」「サボり」など責める語を使わない
  • サプリメントの推奨、医学的な診断名、医療行為に当たる助言をしない
  • 生活リズム(夜勤・不規則)の設定は、提案の時間表現だけを変え、安全レンジは変えない
  • 特別な配慮が必要な状況では、専門家への相談を案内する

AI は賢いですが、賢さと安全は別です。安全は AI に期待するものではなく、設計で担保するもの。ここを説明していないアプリは、私なら選びません。


6. まとめ:信頼できる AI トレーナーの見分け方

  • 「何をやるか」の判断と「中身の生成」が分かれているか
  • 状況が重なったときの優先順位が一貫しているか
  • 数値を人に押しつけず、気にかけで伝えているか
  • AI が言えないこと(安全レンジ)が先に決まっているか

中身を説明できる AI トレーナーは、中身に自信があります。選ぶときは「何を見て決めているの?」と一度聞いてみてください。


中身を説明できる AI トレーナー。FIT LOGIC

FIT LOGIC は、この記事で図解した設計で「次の一手」を出しています。入力するだけで、今日の食事・トレーニング・ケアが 1 つずつ提案されます。

  • 状況判定は一貫したルール、中身は AI が生成
  • 数値ではなく気にかけで伝える
  • 安全レンジ・責めない語の設計を先に固定
  • 体重を主役にしない

3 日間の無料体験で、「次の一手」がどう変わるか見てみてください。

App Store で FIT LOGIC を見る →

使い方ガイド:初期設定の項目解説|入力が AI 提案にどう反映されるか →


この記事を書いた人

Middles 代表/FIT LOGIC 開発者

NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー)。対面指導の判断プロセスを「優先順位のルール」として書き起こし、AI に中身を生成させる設計で FIT LOGIC を開発・運営。安全レンジと「責めない言葉」を設計の前提にしています。極端を避ける「中道」が指導哲学の軸です。

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